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ペットショップの売れ残り猫を救いたい。会社員が里親になるための3つのルートと費用

ペットショップの売れ残り猫を救いたい。会社員が里親になるための3つのルートと費用

ペットショップの売れ残り猫を救いたい。会社員が里親になるための3つのルートと費用

「ペットショップで大きくなってしまったあの子、このままだとどうなるんだろう…」

仕事帰りにふと立ち寄ったショップで、ケージの隅にいる成長した猫と目が合い、胸を痛めた経験はありませんか? その優しい気持ち、痛いほどわかります。

「救ってあげたいけれど、一人暮らしだし、仕事も忙しいから無理かもしれない」。そうやって諦めてしまう前に、知ってほしいことがあります。

実は、売れ残ってしまった猫たちは、殺処分されるだけでなく、譲渡や保護団体へ託される道があります。そして、毎日忙しく働く会社員のあなたこそ、彼らにとって最高のパートナーになれる可能性が高いのです。

本記事では、「かわいそう」という感情論だけでなく、リアルな「費用(隠れコスト)」と、単身・共働きでも審査に通る「3つの具体的ルート」を徹底解説します。あなたのライフスタイルに合った方法で、小さな命を救う第一歩を踏み出しましょう。


目次

「売れ残り=殺処分」だけじゃない。知っておきたい猫たちの行方

「売れ残ったらすぐに保健所へ連れて行かれて、殺処分されてしまうのでは?」

インターネット上の噂を見て、そんな不安に駆られている方も多いのではないでしょうか。まずは、心を落ち着けて、現在のペット業界のリアルな仕組みを知ることから始めましょう。

かつては、売れ残った動物たちが安易に自治体の保健所に持ち込まれるケースもありました。しかし、2013年の動物愛護管理法改正により、自治体は業者からの引き取りを拒否できるようになりました。 これにより、公的な殺処分数は減少傾向にあります。

では、行き場を失った猫たちはどこへ行くのでしょうか? 現在の主なルートは以下の通りです。

  1. 値下げ販売・自社譲渡: そのまま店舗で価格を下げて販売を続けるか、系列の譲渡施設へ移動します。
  2. 繁殖用としてブリーダーへ返還: 繁殖能力のある猫は、ブリーダーの元へ戻り、親猫として生活することもあります。
  3. 保護団体への委託: 提携している保護団体へ譲渡され、そこで新しい飼い主を探します。
  4. 引き取り屋(第二種動物取扱業者): 残念ながら一部では、有償で引き取る業者へ流れるケースも存在します。

私たちが「譲渡」という形で彼らを引き取ることは、単に一匹の猫を救うだけでなく、不透明な流通ルートへの流出を食い止める直接的なアクションになります。「かわいそう」と嘆くだけでなく、「知る」ことが、彼らを守るための最初の一歩なのです。

【アドバイス】

【結論】: ネット上の「闇処分」といった極端な情報に惑わされず、目の前の猫が置かれている状況を冷静に見極めてください。

なぜなら、過度な不安は正常な判断力を奪うからです。多くのペットショップは法令遵守のもと、譲渡先を探す努力をしています。あなたがすべきは、その猫が「今、どこで、どのような形で」家族を待っているかを知り、適切なルートで手を差し伸べることです。


会社員こそ「成猫」が運命の相手。売れ残り猫を迎えるメリット

「子猫から育てないと懐かないんじゃないか」「成猫は可愛くないんじゃないか」。そう思っていませんか?

実は、共働きで忙しい会社員のような方にこそ、生後半年以上経過した「売れ残り(成猫)」の猫たちがベストパートナーなのです。

子猫は確かに可愛いですが、人間の赤ちゃんと同じで、数時間おきの食事や排泄の世話が必要です。また、好奇心旺盛で誤飲やコードを噛むなどの事故も多く、長時間の留守番は命に関わるリスクがあります。

一方で、成猫と共働き世帯は、互いのライフスタイルを補完し合う「ベストマッチ」の関係にあります。

  • 留守番が得意: 成猫は1日の大半(14〜16時間)を寝て過ごします。あなたが仕事に行っている間、彼らはのんびりと昼寝をして待っていてくれます。
  • 性格が安定している: 子猫の性格は未知数ですが、成猫はある程度性格が確定しています。「甘えん坊」「自立心が強い」など、あなたの生活リズムに合う子を見つけやすいのです。
  • 体調が安定している: 子猫のように急に体調を崩すことが少なく、急な欠勤が難しい会社員にとって安心材料となります。

「懐かないのでは?」という心配も無用です。ショップで長く過ごした猫たちは、人に見られることや触られることに慣れている子が多く、家庭に入ると驚くほど甘えん坊になるケースは非常に多く報告されています。

【ポイント】

忙しい会社員にとって、成猫は子猫に比べて「お世話の時間」と「トラブルのリスク」が大幅に少ないのがメリットです。子猫は1日4回以上の食事やつきっきりのケアが必要ですが、成猫は朝晩の食事と適度なスキンシップで安定して生活できます。共働き・一人暮らしには「成猫」が安心です。


どこで会える? 会社員が「売れ残り猫」を引き取る3つのルートと費用

では、具体的にどこに行けば、家族を待っている猫たちに会えるのでしょうか? ここでは、会社員の方が利用しやすい3つの主要ルートと、それぞれの費用構造について解説します。

特に注意が必要なのは、「初期費用0円」の裏側にある実質コストです。

1. 大手ショップの譲渡活動(Coo&RIKUなど)

大手ペットショップチェーンでは、自社で売れ残った猫や繁殖引退猫の譲渡活動を行っています。

  • 特徴: 公式サイトで検索でき、店舗数も多いためアクセスしやすい。
  • 注意点: ショップ系譲渡には「フード定期購入」という条件が付随することが一般的です。 生体代が0円でも、指定されたフードを数年間購入する契約が必須となる場合が多く、トータルコストは高額になる傾向があります。

2. 獣医師連携型マッチングサイト(anifareなど)

動物病院を介して保護犬・保護猫の譲渡を行うサービスです。

  • 特徴: anifareと獣医師は連携関係にあり、 譲渡前に必ず提携動物病院で健康診断と必要な処置が行われます。健康面への不安がある方におすすめです。
  • 費用: 譲渡費用(数万円)に加え、システム利用料やフード定期購入が含まれるプランもあります。

3. 都市型保護団体・里親サイト

「ネコリパブリック」のような保護猫カフェや、「ペットのおうち」などのマッチングサイトです。

  • 特徴: 里親サイトと検索キーワードを組み合わせることで、業者から保護された猫を探せます。「ブリーダー引退」「元ペットショップ」などのキーワードで検索してみましょう。
  • 費用: 医療費の一部負担(譲渡金)として3〜6万円程度が一般的です。

📊 会社員が選ぶべき3つの譲渡ルート比較(5年間の総額試算付き)

ルート 特徴 初期費用 (目安) 継続条件・隠れコスト 5年間の総額目安 (※) 審査・条件
① 大手ショップ譲渡(例: Coo&RIKU) 店舗で会える手続きが早い 約0円〜数万円 フード定期購入が必須 (月5,000円×5年など) 約30〜40万円 比較的緩やか経済力重視
② 獣医師連携型(例: anifare) 病院で引渡し健康チェック済 約3〜5万円 プランによりフード定期購入あり 約10〜30万円 普通飼育環境重視
③ 保護団体・サイト(例: ネコリパブリック) サポート手厚い相性を見れる 約3〜6万円 (医療費負担) なし (フードは自由に選択可) 約3〜6万円 (譲渡金のみ) 厳格な場合が多い (※団体による)

※5年間の総額目安は、譲渡に関わる費用と必須契約のフード代の合計試算です。通常の飼育費(トイレ砂や医療費)は別途かかります。

【アドバイス】

【結論】: 「初期費用0円」という言葉だけで飛びつかず、必ず契約書にある「定期購入期間」と「解約金」を確認してください。

なぜなら、指定されたフードが猫の体質に合わなかった場合でも、解約できずに困るケースがあるからです。トータルコストで比較すれば、保護団体の譲渡金(3〜6万円)の方が、結果的に安く済むことも多いのです。


単身・共働きでも審査に落ちないための「信頼ポイント」の作り方

「保護団体の審査は厳しい」「単身者は断られる」という話を聞いて、尻込みしていませんか?

確かに厳しい団体もありますが、最近では都市型保護団体を中心に、単身者や共働き世帯への譲渡を柔軟に行う団体が増えています。

審査員が見ているのは、「年収」や「在宅時間」そのものではなく、「何かあった時に、猫の命を守れる対応力があるか」です。以下の「信頼ポイント」を提示することで、審査通過率はぐっと上がります。

  1. 「後見人」を確保する:
    自分に万が一のこと(入院や事故)があった際、猫を預かってくれる家族や友人の同意書を用意しましょう。これが最強の安心材料になります。
  2. 脱走防止策を徹底する:
    玄関や窓に脱走防止ゲートを設置する意思(または設置済みの写真)を見せましょう。猫の安全に対する意識の高さが伝わります。
  3. ペットシッターや自動給餌器の活用:
    「残業の時はシッターを頼む」「自動給餌器で食事時間は守る」など、不在時の具体的な対策を説明できれば、共働きはマイナス要因になりません。

諦めずに、「単身可」「共働き歓迎」を掲げている団体(アニマルエイドなど)や、譲渡型猫カフェに足を運んで、スタッフと直接話をしてみてください。あなたの熱意と準備があれば、道は必ず開けます。


よくある質問 (FAQ)

最後に、里親になるにあたってよく頂く質問にお答えします。

Q. 売れ残りの子は病気を持っていることが多いですか?

A. ショップで長期間管理されていたため、運動不足やストレスがある場合はありますが、必ずしも病気とは限りません。ただし、譲渡前に必ず健康診断書を見せてもらい、現在の健康状態(特に耳ダニや皮膚炎、猫風邪の既往歴)を確認しましょう。anifareのような獣医師連携サービスを利用するのも一つの手です。

Q. トイレのしつけは一からやり直しですか?

A. いいえ、その心配はほとんどありません。猫は本能的に砂の上で排泄する習性があり、ショップでもトイレを使っていたはずです。新しい環境で最初は戸惑うかもしれませんが、前の環境で使っていた砂を少し混ぜてあげれば、すぐに覚えてくれる子がほとんどです。

Q. 引き取った後、どうしても飼えなくなったら?

A. 「どうしても」という事態を防ぐために、多くの保護団体では「トライアル期間(お試し期間)」を設けています。この期間に、猫との相性やご自身のアレルギーの有無をしっかり確認してください。正式譲渡後は、終生飼育が絶対のルールです。


まとめ & CTA

「売れ残り」と呼ばれてしまった猫たち。でも、彼らは決して「残り物」ではありません。

過酷な環境を生き抜き、性格が穏やかに成熟した彼らは、忙しい日々を送る私たちに安らぎを与えてくれる、かけがえのないパートナー候補です。

会社員のあなただからこそ、救える命があります。

「かわいそう」という気持ちを、ほんの少しの勇気と知識で「家族になる」という行動に変えてみませんか?

まずは、お近くの「譲渡型猫カフェ」に仕事帰りに立ち寄ってみるか、里親サイトで「お住まいの地域 × ブリーダー引退」で検索してみてください。

運命の出会いは、案外すぐそばで、あなたを待っています。


[参考文献リスト]

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